あちこちを探索していると「湿原」、「湿地」、「池」、「沼」、「湖」といったなど色々な名称を見かけます。
なんとなく区別はついてるつもりですが、その違いを明確に言葉にできません。
湿原を探索するものとして、知っておくべき単語なので、まとめてみました。
湿地: 水のある環境
まず、最も大きな概念が湿地です。
湿地は、一年の多くの期間に地表または地表のすぐ下に水が存在する環境のことを意味します。
その範囲は、非常に広くて、湖、沼、湿原、池、地下水系、干潟、マングローブ、藻場やサンゴ礁のような自然による地形に加えて、水田、ため池、貯水池、ダムなどの人工的な環境まで含むようです。
では、海は?
湿地の保護を国際的な条約であるラムサール条約によると、低潮時の水深が6 mを超えない海域までを湿地として含んでいるようです。
ざっくりまとめると、自然から人工的な環境まで含めて、水のある環境を湿地と呼ぶようです。
湿原: 湿った草原
湿原は、低温で多湿な環境にある草原の一種です。
泥炭の有無により泥炭池と非泥炭地に分けられます。
泥炭地では、低温多湿な環境により微生物の分解作用が不足し、枯れた植物の残骸が、分解せずに泥炭として蓄積していく特徴があります。
泥炭は高い水分保持力があり、結果的に水生植物に覆われた草原が形成されます。
その特殊な環境から様々な生物の生息する環境となり、生物多様性の保持の観点から重要視されています。
例えば、北海道の釧路湿原や長野県にある八島ヶ原湿原は、その歴史や生態系の多様性から重要性が認められ、国の天然記念物に指定されています。
非泥炭地は、水分は多いですが微生物により植物が分解されていくため、泥炭が形成されない湿原です。
土壌は砂や粘土などの無機質で構成されるため、水はけがよく、しばしば水質浄化の役割を果たす湿地環境です。
多種多様な草本植物や低木が生育することも特徴です。
このような湿原は、東海地方に多く、愛知県の葦毛湿原などがその一例です。
また、例外的に人工の湿原も存在しています。
たきがしら湿原は、かつて人々が暮らしていた集落の跡地を再利用して、湿原として造成されました。
湖vs沼vs池
これらの3つは、自然か人工と深さの2軸で分類されるようです。
湖: 深くて広い水の地形
湖は、基本的には陸地に囲まれた大規模な水域のうち、水深が深いものを指します。
具体的には、植物が湖岸に限られ、中央の深いところには見られないものとされています。
天然のものと人工的に作られたものがあります。
▼氷河、地殻変動、火山活動など自然現象によって形成された天然の湖
▼ダム建設などのように人の手により作られた人工湖
沼:浅くて小さい天然の地形
沼は、天然の水の地形で、一般的に沼は湖より浅く、水底全面で植物の生育が可能な水域です。
沼は柔らかく湿った泥や有機物に富んだ土地で、水生生物や鳥類などにとって良い生息地となります。
池: 人工的な小さい水域
池は、湖や沼よりも小さなものを指します。
湖と同様に人工のものと天然のものがあります。
新潟県のいもり池は、ため池として利用されていました。
自然発生的にも形成された小さな水域を池と呼ぶこともあります。
長野県にある渋池は、山間部にある天然の池です。
まとめ
何となく分かっていたけど、明確でなかった区別がわかってスッキリしました。
知識が増えると何かを見た時の解像度も上がるので、探索が楽しみが増えました!
きっと例外的な名称もあると思うので、探して見たいと思います。