八幡平は一般的な観光を目的に過去2回訪れました。
以前と比べて、交通便は格段に良くなりましたが、簡単に行ける所ではないのでキョロキョロとしてきました。
まえがき
八幡平の頂上は標高1,613 mに位置し、日本百名山のひとつです。
パンフレットを広げてみると6000年前に噴火した活火山のようです。
主に安山岩や玄武岩の浸食や爆発が繰り返された結果、ゆるやかな高原台地が形成されたアスピーテ型火山です。
八幡沼・ガマ沼などの火口湖が点在しています。
亜寒帯湿潤気候で寒暖の差が大きく、冬の積雪が5月まで残る地域となっています。
そのような地形気候の中で高山植物の咲き乱れる高層湿原、湿性高山植物の宝庫。
山麓には噴気孔・温泉多く、硫黄の採掘(松尾鉱山)が行われたことがあり、地熱の発電所もある、まさに火山と自然の恵みの博物館です。
旅の記録
小岩井牧場・松川地熱発電所・鳳来峡
8日の昼前に盛岡に着き、最初は岩手山の麓にある小岩井牧場にきました。
小岩井牧場は2/3が森林です。
トラクタートロッコに乗って100年の森を見物しました。
両側の杉の人工林の中をV字の作るように突っ切る林道杉並木は貴重な景色でした。
次に松川地熱発電所に向かいました。
火山帯の地下に溜まった蒸気を利用して発電するCO2排出量の少ないクリーンエネルギーです。
資源小国日本の貴重なエネルギー原です。
翌日、雨の中を鳳来峡の散策路を少しばかり。
散歩道の両側は白樺雨に濡れて木肌がつやつやしていました。
八幡平・八幡沼
アスピーテラインの登山口より舗装の登山路を登り始めて最初の池、鏡沼
続いてメガネ沼へ。
左右は、おおむね同じ大きさでした。
少し高い木オオシラビソ
雪が深いので枝が下向きになっている風雪の影響で上部は枝がまばらです。
30分位で頂上です。
そこから先右の八幡沼を半周する八幡湿原の木道歩き。
ミツバオオレン 円形の葉に白い花。
昨日からの雨で溝になっている所は川になっています。
木道の先は源太森に続いていると思いますが、今日は50m位先で霧の中に消えており幻想の世界。
右の八幡沼も天候が良ければ対岸が分かるのですが見えるのは1/3位です。葉っぱの大きさの割には小さい白い花キヌガサソウ
分岐から少し見返り峠に入った所高層湿原が発達しています。
盛り上がりはミズゴケが密集して泥炭層を作っています。
木道の先に黄色い花ニッコウキスゲ 白い花はコバイケイソウ。
池塘の中に見える竹の子のようなものがミツガシワです。
低木が見えてくると湿原が終わります。約2時間の八幡沼湿原散策でした。
黒谷地湿原
アスピテーラインを少し下った所、黒谷地湿原があります。
湿原の入り口が道路に面していまいます。ニッコウキスゲのお出迎え。
この木道は、源太森の自然探索路まで続いているようです。
両側の黄色の花はニッコウキスゲです。
案内図にある美味しい湧水。
雨の中でしたので喉は渇いておりませんでした。
御在所沼
八幡平最後の湿原御在所沼に行きます。まずは案内板
少し奥の木道の始まりに標識。
白い花はナナカマド。
乾燥気味の湿原は湿地植物と山地樹木のせめぎ合いの接点。木道の突き当たりは左赤沼。
右御在所沼真ん中にあずまや。
あずまやの右に御在所沼が広がっています
(焼け走り溶岩流)
八幡平が終わった後、足を伸ばして岩手山の焼け走り溶岩流を見て参りました。
1719年(約300年前)の噴火で流れ出た熔岩です。
あとがき
宿舎まで濃霧、翌日は終日雨自然のもう一つの顔を味わった旅でした。
ここに居る木々は何十年ともっと辛い環境の中を生きてきたのでしょう。
でも、もっと辛かったのはもしかした道路・観光施設ができたことだったかもしれません。
ここに限らず車で乗り付けられるようになっています。
オーバーツーリズム観光の標的になり、環境が破壊されてしまわないことを願います。