メールにふと目をやると、見慣れないアドレスの件名に湿原びよりの文字が。
迷惑メールかなと恐る恐る開封してみると、なんと北海道のサロベツ湿原に訪問した記録を当サイトに載せたいという相談のメールでした!
彼の名前はゲンヤさん。
2023年6月に訪れたサロベツ湿原に感嘆し、記事を書きたくなったそうです!
当サイトを見てくれただけでも嬉しく、さらにそこから自身の探索記を載せたいと思ってもらえたことに感動しました!
ぜひともお願いしたいと思い、当サイト初の読者投稿企画をやってみることにしました。
それでは、本題のゲンヤさんの探索記をどうぞ!
サロベツ湿原を訪ねて 令和5年6月27日(火) byゲンヤさん
「豊富」で下車、駅前で自転車を借りて走ります。
エゾカンゾウが豊富町の花です。
利尻礼文サロベツ国立公園の一部(昭和49年)のサロベツ原野(平成17年ラムサール条約指定)が広がります。
向かい風で悪戦苦闘、30分位でサロベツ湿原センターに着きました。
早速、案内の方とともに湿原の木道に出て行きました。
一面に生えている草は葦です。
低層泥炭層を作るもとになる草です。
続いて、泥炭を掘る機械の跡です。
今は廃止されていますが、かつて、この機械で5 m下まで掘っていました。
泥炭の深さは6mくらいあるので、深い所の泥炭層は残っています。
サロベツとはアイヌ語で“湿原を流れる川”を意味します。
1万年ほど前、サロベツ周辺は海と繋がる大きな汽水湖でした。
そこに生えた植物が枯れて、分解されないまま泥炭となって積み重なり、6千年以上の年月をかけてできたのが今の湿原です。
日本で3番目に広い湿原で面積は6,700 ha、高層湿原としては日本一の規模です。
栄養の乏しい高層湿原では、厳しい環境に適した様々な植物が次々と花を咲かせます。
明治からの農業牧畜開発によって湿原の乾燥化が進み、笹が広がりました。
かなり自然が変貌しましたが、それでも日本のどこにもないくらいの雄大な景色が広がります。
サロベツを代表する花「エゾカンゾウ」は、1つの花が朝開いて夕方に閉じてしまう一日花です。
見頃は、6月下旬から7月初旬のほんのひと時です。
ハンノキは、湿原のような過湿地において森林を形成する数少ない樹木です。
乾燥化によって樹木が生育する様になってきました。
また、海の頃に島だった所が、今では隆起し丘となり、丸山と呼ばれ、樹木が繁茂しています。
コバイケイソウ・白いワタスゲ・ヤマドリゼンマイ、湿地に生える植物です。
湿原と海を隔てて50 km先の利尻岳がシルエットでくっきりと見えました。
この広大な湿地は、上下湿地を合わせると山手線内側3つ分くらいだそうです。
泥炭掘りした跡に水が溜まり、一部が浮島になっています。
水苔の表示板にヤナギトラノオとあります。
黄色い花で水気の多い低層湿原を好むようです。
ヤナギではなくサクラソウ科の植物です。
浮島で赤く見える草は「モウセンゴケ」です。
「トキソウ」は本州や北海道を中心に日本各地の湿原や湖沼に見られる湿地性の野生ランです。
木道を巡り、主に植物の解説が終わりセンターに返り、再度自転車に乗り、先にある稚咲内(わかさない)浜へ向かいます。
道は真っ直ぐで葦の葉が先の先まで続く、上サロベツ湿原の核心地です。
どちらを向いても原野、草原。
小高い丘状の海岸砂丘を越へ稚咲内港に着きます。
センターから約30分です。
利尻岳がよりはっきりと見えます。
海岸の奥には民家があり集落になっています。
学校の跡もありました。
少々荒れていますが、神社もありました。
帰りは追い風になって少々楽になってきました。
黄色はエゾカンゾウの群生です。
途中の小川の川辺にいた2匹の鹿がずーと僕を眺めていました。
この後、列車で稚内に向かう宗谷本線が海岸脇通過の箇所で 列車が減速、写真スポットです。
原野の向こうに利尻岳を撮りました。
まとめ
泥炭層が有る高層湿原、意外に乾燥状態の草原の様。
湿原に生えている植物で花の咲くのはごく一部、ほとんどは花の咲かない葉っぱばかりの野草原野、それが何千年か積もって泥炭層を作ります。
湿原の基になった野草を調べてみましょう。
読者投稿企画について
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